2025.07.30 2025.08.01

年収の「中央値」とは？平均年収とどう違う？リアルな収入位置と上げ方を知ろう

president

ゆとり

なんだか勉強してるみたいな話ですね。

かいちょう

そうね、義務教育ですからね

ゆとり

え、、、

かいちょう

小学校６年生で習うわよ。

「日本人の平均年収は〇〇万円！」

ニュースやメディアでそんな言葉を耳にして、「あれ？自分は平均より低いな…」と感じたことはない？実は、その「平均値」だけを見てると、あなたの年収の本当の立ち位置を見誤ってしまうかもしれないんだ。

なぜなら、年収の「平均値」は、一部の超高所得者に引っ張られて実態よりも高く出てしまう傾向があるからだ。そこで重要になるのが、「年収中央値」という考え方なんだ。

この記事では、

年収の「平均値」と「中央値」の決定的な違い
なぜ「中央値」を知ることが大切なのか
そして、あなたの年収が日本の真ん中と比べてどうなのか
さらに、日本の平均年収が変動する要因と、国民生活への影響
あなたが年収アップを目指すための具体的な戦略

厚生労働省の最新統計データ（※）を基に、分かりやすく解説するね。自分の年収のリアルな立ち位置を知り、今後のキャリアや家計のヒントを見つけていこう！

（※2025年7月時点の最新データに基づき記述します。記事掲載時は公表されている最新年次のデータを使用してください。）

Contents

なぜ「平均年収」だけではダメなのか？「平均値」と「中央値」の決定的な違い

なぜ「平均年収」だけではダメなのか？「平均値」と「中央値」の決定的な違い

まずは、多くの人が混同しやすい「平均値」と「中央値」について、具体例を挙げて理解を深めていこう。

「平均値」は「一部の極端なデータ」に引っ張られやすい

平均値とは、すべてのデータを合計し、そのデータの個数で割った値のことだ。

例： Aさん（年収300万円）、Bさん（年収350万円）、Cさん（年収400万円）、Dさん（年収500万円）、Eさん（年収1億円）の5人の平均年収は？
- (300万円 + 350万円 + 400万円 + 500万円 + 10,000万円) ÷ 5人 = 2,330万円
- この例では、Eさんのような超高所得者が一人いるだけで、他の4人の年収（300～500万円）とはかけ離れた平均値が出てしまう。これでは、一般的な人の年収の実態とは大きく異なるよね。

「中央値」は「真ん中のデータ」を正確に表す

これに対して、中央値（メジアン）とは、データを小さい順（または大きい順）に並べたときに、ちょうど真ん中に来る値のことだ。

例： Aさん（300万円）、Bさん（350万円）、Cさん（400万円）、Dさん（500万円）、Eさん（1億円）の5人の年収の中央値は？
- 並べると：300万円, 350万円, 400万円, 500万円, 1億円
- 中央値は、真ん中の400万円になる。
- この場合、中央値の400万円の方が、ほとんどの人の年収感覚に近いことが分かるよね。

【グラフイメージ：平均値と中央値の比較】

（※棒グラフや散布図で年収分布を示し、平均値が極端な値に引っ張られていること、中央値が真ん中に位置することを視覚的に表現するイメージ。例の5人の年収を棒グラフで表し、平均値と中央値のラインを引く）

このように、平均値は一部の極端な値に大きく影響されるため、特に所得のようにばらつきが大きいデータでは、実態を正確に反映しにくいんだ。

なぜあなたの年収を知る上で「中央値」が大切なのか？

中央値を知ることは、単なる数字以上の意味を持つよ。

より「リアルな」年収の実態を把握できる:
- 中央値は、人口の半分がその値より少なく、もう半分がその値より多いという「真ん中のライン」を示す。これにより、多くの人が実感している年収に近い数字として、より実態に即した基準を得ることができるんだ。
自分の立ち位置を正確に把握できる:
- 平均値と比べて中央値の方が、自分と同じくらいの年収層がどれくらいいるのか、より正確な相対的な位置を把握するのに役立つよ。
キャリアや家計の目標設定に役立つ:
- 現実的な目標を設定する上で、平均値よりも中央値の方が参考になる。例えば、年収アップを目指す際に「平均年収を超える」よりも、「中央値を超える、あるいは〇〇層を目指す」といった具体的なイメージを持ちやすくなるんだ。

日本の「年収のリアル」を知る：変動要因と国民生活への影響

それでは、実際に日本の年収はどのように変動し、それが私たちの生活にどう影響しているのかを見ていこう。

日本の平均年収と中央値の現状（最新データから読み解く）

（※記事掲載時は、必ずその時点で公表されている最新年次のデータを使用し、正確な数値を記載してください。例：国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」など）

2023年（令和5年）のデータによると、1年を通じて勤務した給与所得者1人あたりの日本の平均年収は460万円だ。この内訳は、給料・手当が388万円、賞与が71万円となっている。平均年齢は47.0歳、平均勤続年数は12.5年だね。

年収の現状をより正確に把握するためには、平均値だけでなく中央値も重要だ。国税庁や厚生労働省のデータに基づく年収の中央値は約407万円と報告されており、これは平均年収の約88%に相当するんだ。別の算出方法では、中央値が351万円とされていることもあるね。

【表イメージ：日本の平均年収と中央値】

（※推計値は出典により幅があることを補足）

平均年収が変動する主な要因

日本の平均年収は、様々な要因によって大きく変動するんだ。

年代・年齢階層別：ピークは40代後半～50代前半 年収は年齢を重ねるごとに上昇し、40代後半～50代前半にかけてピークを迎える傾向がある。
- 参考データ（2024年推計）:
  - 20代：平均360万円
  - 30代：平均451万円
  - 40代：平均519万円
  - 50代以上：平均607万円（特に59歳が最も高額で平均734万円に達する）
- 男性は50代まで上昇する傾向がある一方、女性は20代後半がピークで、それ以降は50代まで同水準で推移する傾向が見られる。
男女別：顕著な格差 男女別の平均年収は、男性が569万円、女性が316万円と大きな差がある。この差は、管理職や専門職への昇進スピードの違いや、女性の非正規雇用比率が高いことなどが影響している。
雇用形態別：正社員と非正規の大きな壁 雇用形態による年収格差は大きく、正社員の平均年収が530万円であるのに対し、正社員以外の平均年収は202万円と、328万円もの差があるんだ。この差は、若年層や女性に多く見られ、社会的な不平等を拡大させている。
学歴別：学歴が与える影響 学歴による年収の違いも顕著で、大学院卒が最も高く643万円、次いで大学卒が514万円、高校卒が409万円となっている。学歴が高いほど、専門的なスキルを必要とする高年収の職種に就きやすい傾向があるよ。
業種別：高収入の業種と低い業種 業種によって年収の差は大きく異なる。
- 高収入の傾向: 「電気・ガス・熱供給・水道業」（平均775万円）、次いで「金融業、保険業」（652万円）、「情報通信業」（649万円）など。
- 低い傾向: 「宿泊業、飲食サービス業」（264万円）は最も低く、高い業種との間に500万円以上の差があるんだ。
企業規模別：大企業が高い傾向 資本金10億円以上の大企業で働く人の平均年収は652万円と、全体を大きく引き上げている。日本の中小企業で働く人の平均年収は全体平均を下回る傾向があるね。
地域別：東京が突出 都道府県別の年収には大きな格差が存在し、東京都は全国で最も平均年収が高い。東京国税局の管轄地域と沖縄国税局の管轄地域では約180万円もの大きな格差が見られるんだ。
勤続年数別：年功序列の影響 勤続年数が長くなるにつれて平均年収も上がる傾向があり、男女ともに勤続年数30～34年で最も高くなる。これは、日本の年功序列制度の影響によるものと考えられているよ。

これらの年収変動が国民生活に与える影響

年収の変動や格差は、私たちの生活に以下のような影響を及ぼしている。

生活水準と家計の余裕: 年収が高ければ家計に余裕が生まれ、生活レベルも高くなる。しかし、月々の手取り金額は額面から税金や社会保険料が引かれるため、実質的な生活費は手取りで考える必要がある。
貯蓄と将来設計: 年収が上がれば貯蓄に回せる金額が増え、将来の不安を軽減できる。しかし、実際には貯蓄ゼロの世帯が全体の28.7%を占めており、貯蓄ができていない世帯も多いのが現状だ。
社会的な格差と課題:
- 男女間の収入格差は、女性の経済的自立を困難にし、キャリア形成やライフプランの障害となっている。
- 世代間の格差も顕著で、バブル期や高度経済成長期に就職した50代以上と、非正規雇用の増加で収入が安定しづらい20代では、大きな差が生じている。
- 非正規雇用の収入格差は社会的な不平等を拡大させ、将来的な年金額や住宅購入にも影響を与える。
- 地域間の年収格差は、人口の都市集中を招き、地方経済の停滞といった問題も引き起こしている。
実質賃金の低下と国際競争力: 2022年以降の物価上昇により、名目上の年収が増えても実質賃金がマイナスとなり、多くの人の生活が苦しい状況に陥っている。OECDのデータによると、2023年において日本の平均年収はOECD加盟国中25番目、G7の中では最下位、さらに韓国よりも低い位置にあり、日本の経済状況が国際的に見て厳しいことを示しているんだ。

年収中央値から考える、あなたのキャリアと家計戦略

自分の年収が中央値と比べてどうだっただろうか？

中央値より高かったなら:
- 素晴らしいね！現在のキャリアパスや働き方が、世の中の流れに合っている証拠かもしれない。引き続き、スキルアップや資産形成に力を入れ、さらなる高みを目指していこう。
中央値と近かったなら:
- 多くの人と同じような経済状況だと言えるね。現状維持も選択肢だけど、もし年収アップや資産形成を加速させたいなら、具体的な行動計画を立てる良い機会だ。
中央値より低かったなら:
- 決して悲観する必要はないよ。むしろ、自分の立ち位置を客観的に知る良い機会だ。この結果をバネに、今後どうすれば年収を上げていけるか、効率的な資産形成ができるかを考えるきっかけにしよう。

年収アップを目指す個人が活用できる戦略と機会

年収アップを目指すための戦略と機会は多岐にわたるよ。

昇進・昇格を目指す:
- 勤務先の人事制度や評価基準を理解し、社内でのキャリアアップを目指すのが最も基本的な方法だ。特に20代後半から30代前半で役職が付く機会が多いと言われているよ。
給与交渉を行う:
- 自身の実績や成果を具体的にアピールし、給与交渉を成功させる可能性を探ろう。
スキルアップと資格取得:
- 市場価値の高い専門スキル（ITスキル、データ分析能力など）や資格を習得することで、年収を上げることが可能だ。資格手当が支給される企業もあるね。
成果主義の会社を選ぶ:
- 年功序列の会社から、インセンティブ制度を導入している成果主義の会社へ転職することも有効だ。不動産・保険業などの営業職では、成果次第で高収入を得られる可能性がある。
副業を行う:
- 本業の収入以外に安定した収入を得るために、副業を取り入れる選択肢だ。ITスキルを活かしたフリーランスの仕事や、ブログ運営、動画配信など多様な副業があるよ。
転職による年収アップ:
- 厚生労働省の調査によると、転職によって賃金が「増加」した人の割合は全体で38.6％おり、特に20代前半では半数以上が年収を上げているんだ。自身の市場価値を把握し、転職エージェント（JAC Recruitment、ビズリーチなど）を活用することも有効だ。
- 年収アップにつながりやすい経験例: 会社での仕組みづくりや組織変革の経験、プレイングマネージャー、上場企業の管理部門責任者、新規事業立ち上げの責任者、女性の経営幹部などが挙げられる。
投資による資産形成:
- 直接年収を上げる方法ではないけれど、株式や投資信託などの金融商品を活用して投資を始めることで、給与以外の収入を増やすことができるよ。NISAやiDeCoといった制度を利用すれば、投資の利益が非課税で運用できるため、手取り収入を増やす手段となるんだ。

学歴別年収と高卒の年収アップ戦略

学歴は年収を左右する大きな要因だけど、高卒でも年収アップを目指す戦略はあるよ。

学歴と年収の相関（参考データ）:
- 大学院卒：平均643万円
- 大学卒：平均514万円
- 高校卒：平均409万円
高卒が年収アップを目指すコツ:
- 資格取得・専門知識の習得: 学歴を問わず、仕事に役立つ資格や専門性の高い知識を身につけることで、市場価値を高め、高収入の職種に就きやすくなる。
- 大企業や有名企業の中途採用を狙う: 新卒では学歴が重視されがちだが、中途採用では実務経験やスキルが求められる傾向が強いため、経験を積んで即戦力となるスキルを身につけることで、大手企業への転職で高収入を得るチャンスがある。
- IT系やベンチャー企業でスキルを積む: これらの企業は学歴よりも本人の意欲やスキルを評価する傾向があり、実力主義の企業が多いため、スキルを積んで成果を上げれば年収アップやキャリアアップを目指せる。
- 成果主義の職種で稼ぐ: 仕事の成果が直接給与に反映される職種（例：インセンティブ制度のある営業職）では、学歴に関係なく高収入を得られる可能性がある。