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【FPが解説】「家賃」と「持ち家」、結局どっちがお得?損しないための新常識

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「家は買うべき?それとも賃貸のまま?」誰もが悩む、この問いに終止符を

「いつかはマイホームが欲しい!」 「でも、住宅ローンを何十年も払い続けるのは不安…」

「家は買うべきか、賃貸のままか」という問題は、多くの人が人生で一度は悩む、大きなテーマですよね。特に、「持ち家は資産になるからお得」といった意見を耳にすると、賃貸でいることに不安を感じる人もいるかもしれません。

しかし、その考え方には大きな落とし穴が潜んでいます。持ち家にも賃貸にも、それぞれお金の面でのメリットとデメリットがあり、どちらが「お得」かは、あなたのライフプランによって全く異なります。

この記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、賃貸と持ち家の経済的な側面を徹底的に比較。単なる表面的な話ではなく、税金、維持費、流動性といった様々な角度から、どちらの選択があなたにとって最も賢いのか、冷静に判断できる情報を提供します。

さあ、感情ではなく「お金」の視点から、あなたにとっての「最適解」を見つけていきましょう。


「持ち家=資産」という誤解を解く

「持ち家は資産になるから、賃貸よりもお得」という考え方は、一概には言えません。

  • 資産価値は変動する:
    • 購入した家の価値は、時間の経過や周辺環境の変化、建物の劣化などによって下落する可能性があります。必ずしも購入時より価値が上がるとは限りません。
  • 「資産」には「負債」が伴う:
    • 持ち家は住宅ローンという大きな負債を伴います。ローンを完済するまでは、家は銀行のものです。
  • 維持費がかかり続ける:
    • 持ち家には、賃貸にはない維持費が毎年かかり続けます。固定資産税、都市計画税、火災保険料、そして修繕費やリフォーム費用など、見えない支出が多いことを理解しておく必要があります。

賃貸と持ち家、経済的なメリット・デメリットを徹底比較

ここから、両者の経済的な側面を具体的な項目ごとに比較していきましょう。

項目賃貸持ち家
毎月の支払額家賃(敷金・礼金、更新料など)住宅ローン返済額(金利含む)
税金支払う税金はない固定資産税・都市計画税、不動産取得税、印紙税などが発生
維持費基本的に大家が負担(修繕・リフォームなど)全て自己負担(修繕費、リフォーム費用、火災保険料など)
初期費用敷金・礼金、仲介手数料、引越代頭金、諸費用(仲介手数料、印紙税など)、引越代
流動性高い(気軽に転居できる)低い(売却には時間と費用がかかる)
リスク支払い額が相場変動で変わる可能性相場変動リスク(資産価値が下がる)、金利変動リスク
ローン返済後生涯にわたって家賃を払い続けるローン返済後は家賃負担がない
老後収入が減ると住み替えが必要になる可能性住居費の負担が軽くなるが、維持費はかかり続ける

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補足解説:見落としがちなポイント

  • 税金のメリット(持ち家): 住宅ローンを組んだ場合、**「住宅ローン控除」**という大きな税額控除が適用され、所得税や住民税が一定期間安くなります。
  • 見えない維持費(持ち家): 持ち家には、月々のローン返済額以外に、固定資産税(年間十数万円)修繕費の積み立て(月1万~2万円程度が目安)火災保険料などがかかります。これらの合計額が、毎月の「実質的な住居費」になります。

ライフプランに合わせた「損しない」選択の基準

結局、どちらがお得かは、あなたの人生のフェーズや価値観によって異なります。

1. 【独身・若年層】「自由度」を重視するなら賃貸

  • キャリアの不確定性: 転職や転勤、結婚など、ライフスタイルが大きく変わる可能性が高い時期です。
  • 賃貸のメリット: 転居が容易なため、キャリアやライフイベントに合わせて柔軟に住む場所を変えられます。将来の可能性を広げる上で、流動性の高さは大きなメリットです。

2. 【子育て世代】「環境と安定」を重視するなら持ち家

  • 子どもの教育: 子育てに適した広い家や、学区を考慮した住環境を選ぶことができます。
  • 持ち家のメリット: 住宅ローンを組んでしまえば、毎月の支払いが一定になり、家賃が変動するリスクを避けられます。 また、子どもの成長に合わせて部屋を自由にカスタマイズできるメリットもあります。

3. 【老後】「選択肢」の広さが鍵

  • 持ち家: ローン完済後、住居費の負担がなくなるのは大きなメリットです。しかし、老朽化した家の修繕費や維持費はかかり続けます。
  • 賃貸: 収入が減った場合でも、より家賃の安い物件に気軽に住み替えられるメリットがあります。ただし、高齢になると賃貸契約が難しくなるケースがあるため注意が必要です。

シミュレーションで見る、20年後の「資産状況」

具体的な数字で比較してみましょう。

  • 設定:
    • 年齢: 30歳、年収500万円
    • 賃貸: 家賃12万円(毎月)、引越代(10年ごと50万円)
    • 持ち家: 住宅ローン月々12万円(35年ローン)、頭金0円、維持費月々3万円
  • 20年後(50歳時点)の資産比較:
    • 賃貸: 支払った家賃の合計は2,880万円。手元には、支払わなかった固定資産税や修繕費などを貯蓄・運用した分が残る。
    • 持ち家: 支払ったローン合計は2,880万円。維持費合計720万円。トータル支払額は3,600万円。手元には、購入した家の現在の価値が残る。
  • 結論:
    • 購入した家の価値が、支払った額よりも高ければ持ち家がお得。しかし、価値が下落すれば賃貸がお得になることも。
    • このシミュレーションからわかるように、**「購入した家の価値」**が最終的な損得を大きく左右します。

まとめ:どちらが一方的に得ではない。「ライフプラン」で最適解を見つけよう

賃貸と持ち家、どちらが一方的に得という結論はありません。

  • 「持ち家=資産」という考え方にとらわれず、維持費や税金、売却リスクも考慮する。
  • 「ライフプラン」や「価値観」に合わせて、流動性や安定性を天秤にかける。
  • シミュレーションを通して、将来のお金の流れを具体的にイメージする。

持ち家は「安心」と引き換えに「自由」を失い、賃貸は「自由」と引き換えに「安心」を失うと言われることもあります。

大切なのは、「あなたの人生において、何を一番大切にしたいか」を考え、その答えに合う選択をすることです。この情報を参考に、あなたにとっての「最高の住まい」を見つけてくださいね。

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かいちょう
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学校の先生
はじめまして!神奈川県横浜市出身のかいちょうです。 AIと資産運用は、私たちの未来の働き方や暮らしを大きく変える、最も重要なテーマだと感じています。このブログでは、そうした最新の情報を皆さまに分かりやすく、そして楽しくお届けすべく、日々奮明しています。 専門的な話だけでなく、趣味の化粧品集めやPCの配線整理を通して、日々の生活の中にも「お金」や「効率」のヒントを見つけられるような記事も発信していきたいと思っています。 皆さまと一緒に、豊かな未来を築いていけることを楽しみにしています!どうぞよろしくお願いいたします。
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